【調査レポート】2026年路線価公表。バブル崩壊前夜の再来なのか

2026年7月1日、恒例の路線価が国税庁から公表されました。

当サイトで取り上げた前回の路線価の記事から早くも1年、今年の動向を解説します。

結論。 全国平均は前年比+2.9%で5年連続上昇。しかも現行の算出方式(2010年以降)で最大の伸び率です。

1. 都心に加え地方の局所的急騰

36都道府県で地価が上昇。

都道府県別の前年比上昇率トップ3は東京(9.4%)、沖縄(6.6%)、大阪(5.1%)でした。

一方、県庁所在地の前年比上昇率トップ3には異変が起きています。

一位は佐賀市(+17.0%、九州最大級の「SAGAアリーナ」開業効果で周辺需要が急増)。続いて盛岡市(+13.0%)、奈良市(+12.6%)

さらに観光地のリゾート需要・インバウンド効果は強烈です。

長野県白馬村(+32.7%)野沢温泉村(+31.3%)北海道富良野(+28.0%)、東京台東区・雷門通り(+27.5%)など、国内外の旺盛な需要が地価を強力に押し上げています。

2. 都心主要エリア

恒例の全国最高額は、例の鳩居堂前(前年比+11.0%)。昨年解説した銀座4丁目交差点です。

円安とインバウンドの恩恵を背景に最高額を更新しています。

弊社が定点観測している都心主要地点を以下の通りアップデートしました。

 ※地点はHATTO COMPANYが任意で抽出。路線価の高い順に記載。 (出所:国税庁HPよりHATTO COMPANY作成)

東京駅丸の内口前、青山一丁目交差点等は落ち着いている一方で、銀座4丁目交差点、表参道交差点は2桁の上昇を示しており、特に麻布台ヒルズ前は土地単価に相対的な割安感があるため、著しく上昇していることがわかります。

※地点はHATTO COMPANYが任意で抽出。路線価の高い順に記載。 (出所:国税庁HPよりHATTO COMPANY作成)

3. 「令和の地価上昇」は89年のバブル崩壊前夜の再来か?

これだけ上昇が継続すると「1989年のバブル崩壊前夜の再来」を懸念する声が聞こえます。

当時、戦後最大といわれた資産バブルがはじけた原因は主に以下の3つがあると言われています。

日銀の急激な利上げ

②総量規制の導入(不動産向け融資の抑制政策)

地価税の導入(土地保有に対して課税)

金融、行政、税制のトリプルブレーキをきっかけにバブル崩壊を引き起こしました。

では、現在の局面と比較するとどうでしょうか。

現状のところ、総量規制や地価税といった極端な行政介入は想定しにくいと言えます。

唯一の懸念を挙げるならば、「日銀の利上げ(金融引き締め)」です。しかし、そのスピード感が当時とは決定的に異なります。

バブル期は公定歩合をわずか1年余りで2.5%から6.0%へ急激に引き上げましたが、現在の日銀はインフレ動向、景気の底堅さを慎重に見極めながらの慎重なスタンスです。

また、グローバルな視点では、東京の地価は、依然としてニューヨーク、ロンドン、香港、シンガポール等の地価と比べると割高感はみられず、中国本土からの投資マインドは足元低下傾向がみられるものの、全体としては海外投資家にとって東京は引き続き魅力的な地域と位置付けられています。

上記をふまえると、弊社としては当時のような「急激な不動産価格のクラッシュ(崩壊)」の可能性は極めて低いと見ています。

今後もインバウンドや再開発の有無による二極化を伴いながらも、地価全体としては緩やかな上昇トレンドが続いていく可能性が高いと予想します。

国税庁HPはこちら

(出所:国税庁HP、他各種報道等に基づきHATTO COMPANY株式会社作成。)

※上記はHATTO COMPANY株式会社の独自の見通し等に基づき作成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。

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