OpenAIをめぐる裁判の本当の意味

最近、発信するネタがAI関連ばかりになっていて、話題が少し偏りすぎかな、と感じていました。正直、食傷気味の方もきっといらっしゃるのだろうなとも思っていました。

ところが。 

昨日、東証プライム上場の大手デベロッパー、D社のYさんから、「いつもHP見てますよ。特にアンソロピックのMythos(ミトス)の記事等、詳細に書かれていて非常に興味深かったです」と。
私はB型ですので、こうした反応をいただくと単純にうれしくなってしまいます。俄然やる気がみなぎってきました。

というわけで今回は、先日のレポートでも少し触れた「イーロン・マスクによるOpenAI提訴」についてお伝えしてみたいと思います。これは、AIと人間の関係の本質を世に問う、極めて重要な裁判になると言われます。

まずは背景を少し。
そもそもOpenAIは、イーロンが多額の資金を拠出し2015年に数人で共同設立した非営利組織でした。名前に「オープン」とある通り、特定の企業がAIを独占するのではなく、誰もが参加できる「オープン・アーキテクチャー」によって、技術を公共の利益に供することが目的だったはずです。

しかし、開発が進むにつれ、Googleなどのハイパー・スケーラーとの競争に対抗するためには「営利化して資金調達せざるを得ない」という現実があったとサム・アルトマンは主張しています。結果としてMicrosoftから巨額出資を受け、中身が公開されないブラックボックスになってしまいました。イーロンからすれば「話が違う」というわけです。

この裁判は、AIのあり方について究極の問いを突きつけています。
「高度に発達し続けるAIが特定の資本や企業に属し、かつその中身がクローズドとなる場合、人類にとって極めて危険な状態に陥る」というイーロンの考え。一方で、「完全にオープンにすれば、誰でも簡単に悪用できてしまうし、そもそも他社との競争上存続することすらできない」という現実的なアルトマンの主張。

イーロンはこの裁判で「勝訴しても自分は1円も受け取らず、求めている約1,500億ドル(約23兆円)とも言われる賠償金は、すべてOpenAIの非営利部門へ引き渡す」と主張しています。年内のIPO(上場)を狙っているとされるOpenAIにとって、この訴訟の行方次第では上場が不可能になる可能性があると言われています。

イーロンは非常にしたたかです。彼の事業を並べてみると、まるで一つの「巨大な知的人工生命体」を作っているように見えてきます。

xAI(Grok)が「脳」になり、

スターリンク(膨大な数に上る通信衛星)が全地球を網羅する「神経」になる。

テスラ(EV)は「街中を走る分散型のデータセンター」兼「センサー」となり、

オプティマス(ヒューマノイド・ロボット)は「肉体」として、地球上のみならず月面や火星での労働を担う。

さらに意外と知られていないのが、地下トンネルを掘削する「ボーリング・カンパニー」です。火星は地上だと大気が薄く放射線も強いため、活動空間は地下に作る必要があります。そのためのインフラ(ハイパーループ)を、彼は既に見据えているのです。最後に巨大な宇宙船スターシップを打ち上げるスペースXがその中心のあることは言うまでもありません。

これらすべてが繋がっています。
うがった見方をすれば、イーロンにとってOpenAIは、自分の壮大なパズルを完成させるための「最強のピース」だったはず。もはや人間がそこから逃れられないほどの巨大なシステムを、彼は一人で構築しようとしているのかもしれません。

4月末から始まったこの裁判。9名の陪審員が、地球と人類の命運を握っているのかもしれません。今後の行方からは目が離せません。

ここまで、あっという間に一つブログを書き上げました。人間やる気になると力が出るものです。

同時に、この4月から高校生になった我が家の息子に対して、私はちゃんとやる気を出させてあげられているかな、と自問したGWの一日でした。

【留意事項】当記事は、各種報道、公開情報等をもとにHATTO COMPANY株式会社が作成したものであり、その正確性を保証するものではありません。

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